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スパッタについて

「神戸のめっき会社 共和産業」エムメムス事業部のHです。

 

最近はお城に行けていないので、以前に行った中からご紹介。

 

愛媛県の「大洲城」、昔の天守を木造で忠実に復元した天守が特徴で、ある意味現存天守よりレアです。

 

さて、今回はエムメムスにおける工程の一つ、「スパッタ」についてご紹介します。

 

正式には「スパッタリング(sputtering)」と言い、物理的なエネルギーを使って成膜する「PVD」の一種です。

 

基板(膜を形成したい母材)とターゲット(膜の材料)を向かい合わせに置いて真空にし、少量のガスを入れてターゲットに電圧をかけると近傍にプラズマが発生、ターゲットの粒子をはじき飛ばして基板へと付着させ、膜を作ります。

 

 

エムメムスにおいては、主にセラミック等の電気を通さない基材に電気めっきをするための下地膜として使用しています。

 

 

さて、小難しい理論は置いておいて、ここからは実際にスパッタの様子を見てもらおうと思います。

 

 

これが今回使用する実験用の小型スパッタ装置です。

スパッタ装置

 

今回は見本としてガラス板の基板に銅のターゲットでスパッタしたいと思います。

スパッタ2

(基板のガラス板、この上に銅の膜を形成します)

スパッタ3

(向かい側となる上部には膜の材料になる銅板をセットします)

スパッタ4

 

装置の中は空気のほとんど無い真空状態で、宇宙空間とほぼ同じ。生物が入ると大変なことになります。

 

ここに少量のアルゴンガスを入れて電圧をかけることで放電し、プラズマが発生します。

 

緑色にぼんやり光っているのがプラズマ。プラズマは美しい色を発するのでずっと見ていたくなりますが、有害な紫外線やX線を含んでいるので長く見てはいけません!

(都合により別の装置で撮影しています)

 

このプラズマが銅ターゲットを叩き、銅の粒子をはじき飛ばして基板へと付着させます。

 

スパッタ終了後の品物がこちら。

スパッタ7

 

このように表面に銅の膜が形成されました。銅の粒子は大体まっすぐ飛ぶので、裏面には膜はほとんどつきません。

 

スパッタについて少しご理解いただけたでしょうか?

弊社ではエムメムス以外でも、本業の湿式めっきを補完する形で乾式のスパッタを使用していますので、湿式だけでは困難なめっき案件についても一度ご相談下さい。

このブログを書いた人

H

エムメムス事業部